赤入れとは? 本作りに不可欠な推敲という過程
本を作る過程において、「赤入れ」は必要不可欠。
ですが、「一度仕上げた原稿をもう一度やり直す」という点で、あまりポジティブなイメージを持っていない方も少なくありません。
しかし、「赤入れ」は本作りには欠かせない非常に重要な工程です。
本記事では、赤入れの意味、重要性、そしてなぜそれが本作りに欠かせないのかを詳しく解説します。
赤入れとは
赤入れとは、原稿や文書の校正や編集を行う作業のことを指します。
主に赤字で修正案を書き入れるため、「赤入れ」と呼ばれます。
赤入れでは、文章の誤字や脱字、数字の誤り、表記の揺れ、意味のねじれ、重複表現などを指摘したり、取り除いたりします。
- 文法や表現の誤り
- 論理の一貫性
- 事実関係の正確さ
- 読みやすさ
- 章立てや構成の適切さ
- 用語の統一
- 著作権や肖像権などの法的問題
簡単に言えば、著者が仕上げた初稿(一時原稿)をより読みやすい状態に推敲するのです。
推敲及び赤入れの重要性
本を作る上で推敲という工程は絶対に必要です。
1冊の本は数万文字でできています。それを書くには相当な時間が必要になりますから、プロの作家でも矛盾が生まれるもの。
仮に誤字脱字が少ない著者であっても、言葉は時代や受け手によってニュアンスが異なります。本当に主張にあった表現ができているか、第三者の目を通すのは非常に大切です。
むしろプロ作家こそ、この赤入れの過程を何度も行い、それゆえに筋の通った読みやすい1冊になるとも言えます。
一般的に赤入れをしっかりと行った文章は、以下のようにより良くなります。
- 文章の質の向上:誤字脱字の修正だけでなく、文章の流れがスムーズになり、論理性が増します。
- 読者視点の反映:著者とは異なる視点からの内容の精査が入るため、読者にとってより分かりやすい本になります。
- 一貫性の確保:本全体を通して、スタイルや用語の使用に一貫性を持たせることができます。
- 法的・倫理的問題の回避:潜在的な問題(著作権侵害、名誉毀損など)を事前に発見し、修正することができます。
赤入れのプロセス
赤入れは一度で終わるものではありません。通常、以下のような段階を経て行われます。
- 初回赤入れ:大きな構造や内容の問題点を指摘
- 著者による修正
- 二次赤入れ:より細かい点や表現の調整
- 最終確認
上記のように2回の赤入れで終えられたら早い方。
質の高い本を作るためには、何度も推敲を重ねる必要があるのです。
むしろ何度も赤が入るということは、編集者も著者も「もっとよくできる!」と作品への伸びしろを感じているのかもしれません。
体力的な辛さはありますが、赤入れを乗り越えたら書籍化までもう少しです!
本作りは「書いて終わり」ではない
赤入れは、本作りにおいて避けて通ることのできない重要な過程です。
著者、編集者、そして読者のためにも、しっかりと時間をかけて行うべき作業です。良質な一冊は、丁寧な赤入れの上に成り立っているといっても過言ではありません。
本作りは「書いて終わり」ではなく、赤入れを含む推敲過程を経ることで、より良い作品に仕上がります!